平成28年の取組から

平成28年12月19日
兵庫県立兵庫高等学校長 冨田 哲浩

 平成28年も残すところわずかとなりました。本校生徒・職員の様々な取組を今年も東京武陽会の皆様にご支援いただき活気ある教育活動が展開できました。この場をお借りして心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。

 4月の第69回文化祭は、『LINK』をテーマに「皆でつながろう」とする工夫された企画が随所にみられました。一般祭には校外から4500名ものご来校があり大いに賑わいました。また、模擬店で1時間以上の待ち時間を我慢していただいた方々には感謝いたします。その一方で黙々とハンバーグや焼きそばを作り続ける生徒の姿がありました。5月の神戸高校との春季定期戦では、最終種目の野球の完封により総合で勝利し、学校全体が一つになった応援が奏功しました。

2年目となったスーパーグローバルハイスクールとしての取組も順調で、7月から生徒の研修旅行が続きました。7日間の「ベトナム研修旅行」では、ハノイ、フエ、ハロンを訪れベトナム野菜の機能性評価や薬剤耐性菌について学習し、ホンガイ高校との交流では互いの文化に触れることが出来ました。8月には「東京みらいフロンティアツアー」に生徒62名が参加しました。味の素や東芝などの企業や日本ASEANセンター、統計数理研究所などの施設を訪れ大いに視野広げることができました。さらに、東京武陽会の皆様には懇親の場を設定していただき、生徒は先輩諸氏の深い愛情とつながりを身に感じました。そして兵庫高校生あることを再認識したと思います。ありがとうございました。
さらに8月にはG7神戸保健大臣会合関連の「ひょうご・こうべ健康医療ハイスクールサミット」を兵庫県下の高等学校と協力して開催しました。本校は薬剤耐性菌に関する研究発表やポスターセッションを行い、日頃の研究内容を披露することができました。さらに9月には兵庫県公館において、兵庫県知事や神戸市長の見守る中、本校生徒がハイスクールサミット宣言文を読み上げ、WHO事務局長マーガレットチャン氏に手渡しました。チャン氏からは暖かい激励の言葉を頂戴しました。このように、生徒たちは貴重な機会を得て自らの未来を拓く取組を進めています。

10月には1年生恒例の野外活動がありました。日本海を進む台風の影響が心配されましたが、大山登山当日は見事な晴れでした。登山者全員が眺望絶景と登頂達成感を味わい、1年生の団結力がより強くなりました。10月の秋季定期戦は総合で神戸高校に敗れましたが、どの対戦も負けまいとする本校生徒の粘りが発揮され、生徒の声援もぶつかり合いました。特にラグビーは激しい試合展開となり、全校生の闘志が一つになって部員を後押ししました。結果は引分けでしたが、生徒誰もが兵庫高校生である喜びを感じた定期戦となりました。

 本年の学校行事の締めくくりは2年生の修学旅行です。昨年から八重山・沖縄を目的地としました。12月なのに快晴で日差しが強く日中の気温26度。4日間のうち3日を小浜島、西表島、竹富島等でのアクティビティーを行いました。残る1日は沖縄摩文仁の平和祈念堂での講話です。講師は直接島田叡知事に接せられた上原徹氏でした。氏は卒寿に届く年齢ですが話しぶりは力強く、当時の様子を聞く生徒の姿は真剣そのものでした。生徒は改めて島田氏の偉業と平和の尊さを確認することとなりました。
 この講話に先立ち、生徒会、野球部、吹奏楽部の40名が那覇奥武山公園の島田叡事績顕彰碑を訪ねました。顕彰碑の建立に尽力された期成会会長の嘉数昇明氏、城岳同窓会の名嘉山興武氏、與儀幸英氏に迎えていただきました。嘉数、名嘉山両氏の御挨拶の後、今回の訪問目的である校歌の「献歌」を行いました。『武陽原賦』を7番まで、『兵庫高校校歌』を4番までの斉唱です。事前に練習をしていましたが、澄み切った晴天のもと、生徒の力強くも美しい歌声は、隣接する兵庫・沖縄ゆうあいグランドを越え、那覇の街に響きわたりました。沖縄と兵庫の関係者の心に互いの思いを今年もしっかり刻むことができました。

 以上、今年の活動報告をいたしました。年が改まれば高校入試のシーズンとなります。兵庫高校を選んでくれる生徒の期待に応えられるよう、今年の取組を検証して新入生を迎える準備を進めたいと考えております。
最後になりましたが、東京武陽会の皆様にはよい新年を迎えられますようご祈念申上げます。新たな年も引き続き、母校への叱咤激励を含めたご支援をどうぞよろしくお願いいたします。

平成28年度を迎えて

兵庫県立兵庫高等学校長 冨田 哲浩

 新年度を迎えました。各教室では新学期の緊張感のなか授業が展開されています。また、放課後には新入部員の入った部活動が始まっており、運動場や同窓会館は溢れんばかりの生徒で大いに活気づいています。 さて、東京武陽会の皆様方には平素より本校への深い愛情と教育活動に対するご理解とご支援をいただいておりますこと、厚く御礼申し上げます。本当にありがとうございます。平成28年度のスタートにあたり、昨年の振り返りと学校の現況についてご報告等をさせていただきます。

 始めに、昨年の出来事としてはこの話題が中心でした。
平成27年はちょうど「戦後70年」にあたり、そのことから、昨年一年を通して本校へのマスコミ等の取材がたびたびありました。もちろん主たる取材目的は『沖縄最後の官選知事島田叡氏』でした。本校でも講演や学びの機会を設け、生徒が島田氏のご功績を語り継げるように取り組みました。さらに、数十年続いたスキー修学旅行を沖縄方面に変更し、島田氏が消息を絶ったとされる摩文仁の丘や島田氏の事跡顕彰碑が建つ奥武山公園にも訪れました。沖縄では、島田叡氏の謦咳に接せられた上原徹氏のご講演を直接伺いました。生徒はその講演後、上原氏から「立派な大人になって下さい」と声をかけられ痺れたと言っておりました。まさに『生き証人』の言葉の持つ影響力の大きさだと感じました。このことから改めて、人が歴史を重ねるなかで「70年」の意味と重要性を考えさせられた一年でした。

 学校の状況としまして、『H28高校入試と24クラス』です。
本校の今年の高校入試は、昨年よりも一段と厳しくなりました。あるマスコミからも、通常の入試は隔年現象になるのに、兵庫高校はどうして今年も志願者が多かったのかとの質問をいただいたほどでした。理由は想像するしかありませんが、加速度的に変化の進む世の中にあって、本校創立時より伝承してきた不易の校風と、時代の要請に応える先進的な教育活動との絶妙なバランスの良さが、多くの方々を魅了したのではないかと考えています。ともかくも、14年ぶりに全校24クラスの大規模校となりました。生徒数956名の「数は力」です。さらに、教職員とともに彼らの「和の力」を育てたいと考えております。

 学校の特色としまして、『新学科の発進』です。
「未来をつくる次代のトップリーダーを育成する」ために、平成22年度に総合科学類型を立ち上げ、4年後の平成26年度に未来創造コースとして改編をしました。この間の取組を整理・充実させることで、平成27年度には文部科学省のスーパーグローバルハイスクール(SGH)の認定を受けました。本校の次代を担う人材育成が本格化している証左です。そして平成28年度には、未来創造コースがさらに発展し、全県を通学区域とする創造科学科となりました。本学科は文理の枠を越えた学びができるということで、推薦入試では2.7倍という高い倍率になりました。入学生はたいへん積極的な雰囲気を有しており、本校教育活動の格として、SGH2年目における今後の課題研究や研究発表に大いに期待が持てます。

 今後の動きとしまして、『110周年記念事業とふるさとひょうご寄付金』です。
兵庫県教育委員会は、ふるさとひょうご寄付金の応援メニューのひとつとして、教育の一層の活性化を図るため、学校ごとに寄付金活用事業を設定し、学校機能向上や教育環境の充実等に充てる「県立学校環境充実応援プロジェクト」を展開すると打ち出しました。一方、本校は来年度に創立110年を迎えます。平成30年には記念式典を開催することとして、武陽会も様々な記念事業の準備・計画を進めていただいています。本校にとりましては、創立100年を経過した後の10年間は、革新的な取組を進めてきましたので、この110周年はそれまでの10年ごとの行事とは異なり、特別な節目と位置づけております。 このことから、武陽会のご意見も頂戴し、「創立110周年記念事業の充実」を図るため、応援プロジェクトを活用した寄付金をお願いすることとしました。いただいた寄付金は記念式典と記念講演の開催、記念誌の発行等に活用したいと考えております。現在、募集等についての準備を進めており、応援プロジェクトについての説明や寄付の手続き方法については、改めて本ホームページにも掲載いたしますので、しばらくお待ち下さるようお願いします。

 最後に、トピックスとしまして、『武陽魂』です。
3月28日(日)に武陽会主催の『ホームカミングデー2016』が行われました。この日は温かな好天に恵まれ、多くの武陽人がご来校になりました。神戸高校との野球OB定期戦や読売テレビ放送の脇浜紀子氏の特別講演など様々なイベントが行われ、そのなかで本校の書道部が卒業生の皆様に自慢の書道パフォーマンスを披露しました。書道家の井茂圭洞氏の眼前での実演でしたので、おそらく大いに緊張したことでしょうが、見事に作品を仕上げてくれました。下に掲載している【写真】は、1つめのパフォーマンスとして『武陽魂』と大書した場面です。生徒の躍動が伝われば幸いです。
なお、平成28年度もグローバルな取組としまして、イギリス研修、ベトナム研修、中国上海研修を行いますが、恒例の「東京みらいフロンティアツアー」も行いますので、東京武陽会の皆様には今年もお世話になると思います。どうぞよろしくお願いいたします。

兵庫県立兵庫高等学校長 石井 稔
母校現況

 平成27年4月より兵庫県立兵庫高等学校第29代校長を拝命しました冨田哲浩(とみた ひろあき)です。どうぞよろしくお願いします。
 着任しましてから、生徒や教職員とのふれあいの全てが新鮮です。特に、自由な校風の中のびのびと活動する生徒にはすぐに親しみが持てました。服装も画一化せず生徒個々の判断となっていますが、決して自由に際限ないということはなく、自己責任を伴う真の「自由」が息づいています。さらに兵庫高校生と一言会話するだけで芯(心)のあることが直ちに伝わってきます。これは学校創設以来、四綱領「質素剛健 自重自治 これを貫くに至誠をもってす」の精神が今も生き続けている証拠と考えます。時代が変化してもこの精神を心柱として学校の発展に全力で取り組んで参ります。
「兵庫高校生は行事でつくられる」ことから、一年を通して生徒の主体的な企画・運営による活発な行事が行われています。
 4月の文化祭は実行委員会の強力なリーダーシップのもとで行われました。二日目に1,500名を超える保護者や地域の方の来校があり大盛況でした。
5月の神戸高校との定期戦は3年生にとり初めての総合勝利となり、生徒職員皆が歓喜に包まれました。7月の合唱コンクールは短期間で見事に完成度を高めた3年生が上位を独占しました。9月、3年生にとって最後の体育祭は天候に恵まれず午前で終了しましたが、3年生は文句の一言もなく学校の判断を受け入れてくれました。10月の1年生野外活動は快晴で、大山登山をはじめ飯ごう炊さんなどを楽しみました。12月の2年生修学旅行は、「沖縄の島守」島田叡氏の没後70年の今年、数十年続いたスキーから沖縄方面へと変更しました。沖縄では新たに建立された顕彰碑と島守の塔を訪問し、在りし日に島田氏の謦咳に接せられた上原徹氏の講演を直接伺いました。生徒は、篤くて熱い沖縄の方々の思いを肌で感じる大変意義深い機会となりました。沖縄と兵庫の友愛の絆を深め、生徒が今後も島田氏の足跡を語り継ぐことが受け継がれつつあります。このように、本校生徒は様々な行事を通して着実に「武陽人」の卵として成長していると考えます。
 単に大学進学に必要な教科・科目の学力(偏差値)の伸長を図るのでなく、「これからの地域・神戸・日本を担う未来の創造者の育成」を目指さねばならないとの考えから、本校では、平成22年度に初めて総合科学類型としての入学生を受け入れ、本年で6年目を迎えました。この間、グローバルな視点を備えた人材育成のため、東京みらいフロンティアツアー(東京研修)や、京都大・大阪大・神戸大と連携した課題研究を進めてきました。特に、東京研修には生徒約70名が参加しており、東京武陽会の皆様には物心両面でたいへんご支援を頂戴し、生徒の満足度の極めて高い取組となっております。誠にありがとうございます。これら先進的な取組が文部科学省に高く評価され、平成27年度スーパーグローバルハイスクール(SGH)の指定を受けることができました。今後5年間は国の支援を受けながら、東京研修に加え、成長著しいベトナムの大学・高校と連携した研修、イギリスの大学・高校との課題研究に取り組むなど、人を育てる新しい高等学校教育を強力に推進して参ります。
 平成27年の兵庫県最大の変化は、半世紀ぶりの「高校通学区域の改編」です。神戸・芦屋・淡路が一つになり、新たに「複数志願選抜第1学区」として高校入試が行われました。これまで本校では全員が旧神戸第2学区からの入学でしたが、平成27年入学生は旧2学区以外からの入学が45%となりました。通学区域が広くなり、これまで受験できなかった地区から志願できるようになったことから神戸市を超えて「兵庫人気」が広がっているからです。実際、8月の学校説明会には生徒・保護者等2,100名の来校となりましたし、平成28年2月の「創造科学科」入試には、定員40名に対して108名の出願がありました。「生徒を磨く兵庫高校」の噂は広まっており、今後益々本校の人気は高まると予想されます。このことを受け本校では教職員力を合わせてさらなる魅力ある学校づくりを進めて参りますので、東京武陽会の皆様には引き続きのご指導ご鞭撻と併せて、変わらぬご支援をよろしくお願いいたします。
 最後になりますが、東京武陽会の益々のご発展と皆様方のご健勝をご祈念申し上げご挨拶といたします。